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民泊の届出に必要な消防法令適合通知書とは?交付を受ける方法や注意点などを解説!

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これから民泊の届出をするために必要になる書類の1つが消防法令適合通知書です。消防法令適合通知書の交付を受けるまでにはさまざまな準備が必要であり、交付の流れを理解しておくことが重要になります。本記事では消防法令適合通知書の取得の仕方や消防法に関する注意点まで詳しく解説します。

民泊消防工事

消防法令適合通知書とは

消防法令適合通知書とは、当該施設が消防法令に適していると消防機関が認めた場合に発行される書面のことです。旅館業法や住宅宿泊事業法の届出の際に消防法令適合通知書は必要書類の1つとなっています。これから民泊を始めるためには保健所に対して届出をしなければいけません。その際には宿泊客の安全を確保できる設備が整っていることが求められ、それを証明する書類の1つが消防法令適合通知書です。消防設備に関する指示は保健所の管轄外となるため、消防法令適合通知書は各自治体の消防署から発行してもらう必要があります。民泊は不特定多数の者が利用するサービスであり、火災が起きると大きな被害が予想されます。そのため、消防法に基づいた措置を講じることが民泊経営者の義務とされています。また、消防法令適合通知書の交付を受けるには、消防法だけではなく各自治体の独自の条例に適合することも必要です。事前に各自治体の消防署に相談をして、自治体独自の条例がないか確認しておきましょう。

消防法令適合通知書はあくまでも民泊の届出に必要な書類の1つであり、消防法令適合通知書だけで住宅宿泊事業を行えるわけではありません。実際には、他にも多くの書類が必要になるため、何を提出しなければいけないのかを確認し、余裕を持って書類の準備を進めましょう。

消防法令適合通知書の交付を受ける流れ

消防法令適合通知書の交付を受けるまでの流れは以下の通りです。

  1. 事前相談
  2. 消防用設備の設置
  3. 届出書類の提出
  4. 現地確認
  5. 消防法令適合通知書の交付

消防法令適合通知書の交付を受けるまでに必要な手続きについて、各手順ごとに詳しく解説します。

ステップ1:事前相談

消防法令適合通知書の交付までの手続きをスムーズに進めるために事前相談をすることが求められています。自治体を管轄する消防署に事前に連絡をしておき、予約した上で相談しておくとスムーズです。

事前相談をする際には、民泊経営を予定している建物に関する資料や図面を持参しましょう。建物の面積や構造が詳しくわかる資料を持参することで、具体的にどのような消防用設備が必要になるのか、正確な説明を受けられます。

事前相談の際には主に以下のような事項の確認を受けます。

  • 新たに設置が必要な消防用設備の有無
  • 既存の消防用設備の管理状況
  • 防災管理者の選任義務の有無
  • 防災物品の使用状況
  • その他、届出や消防法令に関する事項

事前相談の段階で疑問点や不安点について質問を行うことをおすすめします。不明な点が残った状態で手続きを進めると、後で問題が起きる可能性があるため注意しましょう。

ステップ2:消防用設備の設置

事前相談で指摘された内容に従って必要な消防用設備の設置を進めましょう。自動火災報知設備の設置や防災物品の使用などを行います。火災報知設備の設置場所など法令で細かくルールが定められているため、法律に適合する環境を整えましょう。一定規模以上の施設については、防災管理者の選任が必要になります。防災管理者の選任は建物全体が対象となるため、マンションやアパートなど共同住宅で民泊を始める場合は注意しましょう。消防用設備の設置にかかる費用は、元から設置されている消防設備の有無によって大きく変わります。場合によっては消防用設備の設置だけで100万円以上の費用がかかるケースもあるため、事前に計算しておきましょう。

テップ3:届出書類の提出

消防法令に適合する環境を整えた後は、届出書類の提出を行います。消防法令適合通知書の交付申請書以外にも書類提出を求められる場合があるため確認しましょう。提出する必要のある書類は自治体によって異なります。

消防法令適合通知書の交付申請書に記載する主な事項を以下にまとめました。

  • 申請者の住所や氏名
  • 防火対象物の名称や所在地
  • 防火対象物の延べ面積や床面積
  • 宿泊室の床面積の合計

交付申請書を作成する際に、記載するべき事項について疑問点がある場合は事前に相談しましょう。消防署に申請する際に、申請書の不明点について窓口で確認してから追記することも可能です。

ステップ4:現地確認

届出書類を提出した後は、消防署員による現地確認が実施されます。現地確認は関係者の立ち会いが必要になるため、事前に日程調整をして対応しましょう。現地確認は、実際に民泊事業を営むのと同じ状態で行う必要があります。机やベッドなど必要な備品をすべて備え付けた状態にした上で現地確認を受けましょう。現地確認では、申請した書類の通りの状態になっているか、書類だけでは確認できない点について消防法令に適合されているか調査されます。書類の内容に問題がなかったとしても、現地確認で不適合と判断されるケースがあるため注意しましょう。現地確認で問題点を指摘された場合は、指摘された部分に対応した上で再び現地確認を受けなければいけません。

ステップ5:消防法令適合通知書の交付

書類審査と現地確認で問題がなければ、消防法令適合通知書が交付されます。通常は現地確認を終えてから1週間程度で消防法令適合通知書を受け取れるでしょう。消防法令適合通知書を受け取れたならば、民泊の届出のための手続きを進めます。消防法令適合通知書以外にもさまざまな書類の準備が発生し、保健所による現地確認も受けなければいけません。

民泊届出住宅の消防法による規制の内容

これから民泊を始めたいならば、消防法による規制の内容について理解しておきましょう。

消防法令上において民泊で利用する住宅は宿泊施設として扱われます。すべての施設に設置が義務づけられる設備から、基準を満たした場合にのみ設置しなければいけない設備もあるため注意しましょう。家主同居型で民泊を始める場合は、宿泊室の床面積の合計が50㎡を下回る場合にのみ、消防法令上は住宅として扱われます。消防法による規制の他に、消防局が指導する主な防火対策があります。出火防止に関する注意事項や火災発生時の対応についての説明をしなければいけません。火災の際の注意事項を記載した書面をわかりやすい場所に提示することも求められています。宿泊者が実際に使うコンロは、安全装置付きのものを使用することも指導されているため確認しましょう。

消防に関する相談について

民泊経営をする際に消防に関して不安点や疑問点などがあれば、消防署などに気軽に相談することをおすすめします。消防法令適合通知書の交付を受けた後であっても、いつでも消防署は相談に応じてくれます。また、法律で義務づけられていないのですが、消防に関する専門家に相談することもおすすめです。たとえば、消防設備士や建築士などの専門家に相談しておくと、消防法令適合通知書交付の手続きをスムーズに進められます。消防法に適合した環境を整えるには、さまざまな設備の設置工事や図面の作成が必要です。これらは専門的な知識が要求されるため、消防法令適合通知書の交付を受ける際には事前に専門家に相談しておきましょう。

まとめ

民泊は消防法を遵守することが求められるため、消防法令適合通知書の交付が必須となります。不特定多数の人が利用することになるため、防火対策をしっかりと整えることが求められており、準備には多くの時間と費用がかかるでしょう。

これから民泊の経営を考えている方は、本記事の内容を参考にして消防法に適合した環境を整えてください。