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民泊の営業で必要な安全確保のための措置とは?安全措置や避難経路について解説!

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民泊新法には民泊経営に関するさまざまなルールが定められています。その中の1つが安全措置に関する内容であり、宿泊客の安全確保のためのさまざまな措置を講じることが義務づけられています。本記事では民泊の営業で必要になる安全措置の内容から注意点まで詳しく紹介します。

避難経路

民泊新法で求められる安全措置の内容

民泊新法において求められる安全措置の主な内容を以下にまとめました。

  • 非常用照明器具の設置
  • 避難経路の表示
  • 火災その他災害が発生した場合に安全確保を図るための措置

災害が発生した時にスムーズに避難を促すための非常用照明器具の設置が必要です。また、災害時の避難経路を宿泊者に伝えるための表示も必要になります。それ以外にも、火災やその他の災害が発生した場合に備えるさまざまな措置が要求されます。ただし、実際にはそれぞれの届出住宅の規模によって、必要な安全措置は異なります。基本的に規模の大きな住宅ほど、要求される安全措置の内容が複雑になるため注意しましょう。適用される安全措置の内容によっては、準備のために多くの費用と時間がかかるケースがあります。民泊の開業の準備を始める際には、具体的にどのような安全措置が要求されるのか詳しく調べておきましょう。適用される内容がわかりにくい場合は専門家に相談することをおすすめします。

非常用照明器具について

非常用器具の設置が求められる条件や設置する器具について詳しく紹介します。

非常用照明器具の適用の有無

宿泊室の床面積の合計が50㎡以下であり、家主が不在とならない場合は、原則として非常用器具の設置は不要です。非常用器具の設置が必要な場合には、住宅の各部分ごとについて、非常用器具の器具が必要かどうか判断しなければいけません。外気に開放された通路や宿泊室・避難経路以外の室については非常用器具の設置は不要です。たとえば、トイレや浴室、洗面所などには必要ありません。また、採光のための開口部が居室の床面積の1/20以上あり、避難階・避難階の直上・避難階の直下ですぐ避難できる部分にも非常用照明器具は不要になります。床面積が30㎡以下の居室で地上への出口を有する、あるいは避難経路に非常用照明があるケースでも非常用照明器具の設置は不要です。非常用照明器具の設置が必要かどうかの基準は細かく規定されているため、事前に詳しい点をしっかりと調べておきましょう。

設置する器具について

非常用照明器具として設置する器具は、法令で定められた耐熱性や点灯性を有している電球やソケット、電線などです。JIL適合マークの貼られている製品であれば、非常用照明器具としての規定に適合しています。

防火の区画等について

民泊届出住宅の規模によっては「防火の区画等」が必要になります。「防火の区画等」とは、防火の区画、自動火災報知設備、スプリンクラー設備のことです。防火の区画等の実施が必要な場合には、上記3つの選択肢のうちいずれかの実施が求められます。

以下では防火の区画等が適用される条件や、実施の方法を紹介します。

防火の区画等が適用される条件

宿泊室の床面積の合計が50㎡以下であり、なおかつ家主が不在とならない場合は防火の区画等の実施は不要です。また、複数の宿泊室において同時に複数のグループを宿泊させない場合も、防火の区画等の実施は必要ありません。上記の条件に当てはまらない場合は、防火の区画等についての対応が必要です。防火の区画等として実施すべき内容は、以下の3つのうちいずれか1つです。

  • 防火の区画
  • 自動火災報知設備の設置
  • スプリンクラーの設置

民泊に活用する住宅の状態や工事にかかる費用などを考慮した上で、上記3つの中から対応方法を選びましょう。

防火の区画

防火の区画を行う場合は、宿泊室と避難経路の間について、準耐火構造の壁で区画しなければいけません。壁は小屋裏あるいは天井裏まで到達させる必要があります。防火区画の壁を給水管や配電管などが貫通する場合は、隙間をモルタルなど不燃材料で埋めなければいけません。また、防火区画の壁を換気や冷暖房の風道が貫通する場合は、防火ダンパーの設置が必要です。上記以外にも、4以上の宿泊室が隣接するケースや、隣接する2つ以上の宿泊室の床面積の合計が100㎡を超える場合には、準耐火構造の壁で区画しなければいけません。

自動火災報知設備等の設置

自動火災報知設備の設置をする場合は、同時に居室について以下のいずれかの基準を満たす必要があります。

  • 直接屋外への出口に避難できる
  • 居室の出口から屋外への出口までの歩行距離が8m以下であり、壁及び戸によって通路と区画されている
  • 廊下や壁、天井の仕上げを難燃材料として、壁及び戸によって通路と区画する

自動火災報知設備の設置だけでは不十分であり、上記のいずれかの基準を満たした環境が求められます。

スプリンクラー設備等の設置

床面積が200㎡以下の階、あるいは床面積が200㎡以内ごとに準耐火構造の壁等により区画されている部分にスプリンクラー設備等を設置すれば、「防火区画等」で求められる設備があるとみなされます。

避難経路の表示について

民泊住宅では避難経路の表示をすることが義務づけられています。火災が発生した際に宿泊者が迅速に避難できるようにするためです。避難経路図を作成して、玄関ドアなどわかりやすい場所に掲示しておきます。単に避難経路を示すだけではなく、消火設備や避難器具の場所もわかりやすく記入しましょう。避難経路の表示については、自治体の火災予防条例により規制されているケースがあります。自治体によって避難経路の表示について特別なルールが規定されている場合があるため、事前に確認しておきましょう。また、避難経路の表示だけではなく、避難場所について宿泊者に説明することが求められています。

民泊申請書類

民泊の届出時の添付書類について

民泊の届出をする際には床面積を記載しなければいけません。床面積については、図面を添付して、素面に床面積などを記載します。床面積は安全措置の内容に影響する重要な要素であり、正確な数字を記さなければいけません。また、実施した安全措置について図面の中に記載する必要があります。非常用照明器具の位置や自動火災報知設備の設置位置などを正確に記載しましょう。

安全確保のための対策は大事

民泊の安全確保のためには、さまざまな対策を講じることが重要です。法令で定められた措置を施すだけではなく、任意で安全対策に取り組みましょう。具体的にどのような対策があるのか紹介します。

喫煙ルールの設定

火災の原因として最も多いたばこの不始末への対策として喫煙ルールの設定をすることは大切です。施設内での喫煙の可否や、喫煙時のルールなどを細かく定めておきましょう。たとえば、室内やベランダでの喫煙を禁止するルールを制定するケースがあります。灰皿には水を入れておくといったルールを定めるだけでも、効果は大きいです。

火気使用器具についての注意喚起

民泊では調理器具やストーブなどさまざまな火気使用器具が設置されるため、注意喚起をしておくことは大切です。火気使用器具の近くに燃えるものを近づけない、調理中にはその場を離れないなどしっかりと注意喚起しましょう。また、給油が必要な場合には宿泊者に任せるのではなく緊急連絡先に連絡するようにルールを制定しておくと安全です。

訓練の実施

万が一の事態が起きたときのための訓練を実施することは大切です。通報訓練や駆けつけ訓練、消火訓練、避難訓練などに取り組みましょう。定期的に訓練しておくことで、災害が起きた時に冷静に行動できます。

まとめ

民泊の宿泊者を守るための安全確保について、さまざまな措置を行うことが義務づけられています。ただし、民泊住宅の規模によって安全措置の内容は異なるため、事前の確認が大切です。本記事の内容を参考にして、不明な部分は専門家にもサポートしてもらい、民泊施設の安全確保に努めましょう。