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【お得な裏技も公開】全国旅行支援の京都編をわかりやすく解説

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いよいよ全国旅行支援が始まります。旅行代金の割引と地域クーポンを付与する「日本全国を対象とした観光需要喚起策」ですね。

9月の連休は、天候に恵まれませんでした。10月の三連休も中日が雨ということで、直近の予約が想定していたより伸びなかったと感じております。それでも、明らかにこれまでとは全体的な予約の流れが変わって参りました。

まず、予約の50%以上が海外からの予約になっている点は非常に大きいです。ほぼすべての予約が連泊であり、かつ、平日の稼働が高くなる点がありがたいポイントですね。単泊と比較しても利益をしっかりと残せるので、このまま海外から観光客を受けれる体制にストップさえ掛からなければ、観光業界にとってはV字回復の大きなチャンスです。円安の影響もあり、この機会に日本を訪れたいと思う方は相当数いると報道されていますね。

さて、話題の全国旅行支援ですが、なかなかシンプルに見えて、構造は複雑そうです。まず、各都道府県によって対応や条件が違う点で混乱を招きそうです。それでは、ことまる。は京都専門の宿泊施設の管理会社をしておりますので、京都における条件について確認を行って参りましょう。

期 間

2022年10月11日~12月20日
※2022年12月21日のチェックアウト含む

補助金交付額


・宿泊代金への販売補助金︓宿泊代金の40%
※補助額には上限があります。
1.旅行者の移動のための交通を含む宿泊商品︓8,000円(1泊)
2.それ以外の商品(交通を含まない宿泊商品、日帰り商品)︓5,000円(1泊)

つまり、交通を含まない宿泊の場合は、
1泊12,500円が基準になりますね。
12,500円x40%=5,000円

この金額を超えても補助額は5,000円なので、自身が宿泊してみたい宿のプランの価格帯がこれくらいだと嬉しいですね。
ちなみに交通を含む宿泊というのは、旅行代理店などが販売する新幹線のチケットとホテルがセットになったプランを指します(最大8,000円の補助)。一方で、新幹線のチケットをJRの窓口で購入し、ホテルをネット予約した場合は、宿泊単体の補助しか受けられません(最大で5,000円の補助)。

※イメージ出典:HIS

地域クーポン

平日3,000円、休日1,000円 (※1人1泊あたり)
例)
1泊2日で土曜日宿泊の場合、土曜日チェックイン、日曜日チェックアウトは共に平日ではない為、クーポンは1,000円です。
しかし、日曜日チェックイン、月曜日チェックアウトの場合、片方は平日にあたるので、クーポンは3,000円となります。
平日が前に来る時も同様です。金曜日チェックイン、土曜日チェックアウトは、片方は平日にあたりので、クーポンは3,000円となります。

最低宿泊代金の設定があるので要注意!

※平日5,000円、休日 2,000円以下は対象外 (※1人1泊あたり)

宿泊費用が5,000円以下だと支払う金額を補助金が超えてしまうという「逆ざや」現象が起きる為、この料金より安いプランは対象外になるということですね。極端な例で説明して見ましょう。

宿泊料金1,000円x40%=400円
もし最低料金の設定がなく、これが平日だとすると3,000円分のクーポン対象です。
実質負担600円で3,000円のクーポンが入手できてしまうということは、
600円で2,400円のクーポンが手に入ってしまうという錬金術的な裏技が成立してしまいます。
この錬金術を防止する為、宿泊における最低料金が設定されているということです。

利用対象

日本国内に居住する者

利用要件

・ワクチン3回接種又は検査の陰性証明

※学校行事等ワクチン検査の適用除外となる場合あり
※日本国内に居住する者を証明できる運転免許証、マイナンバーカード等も必要

・ビジネス目的の宿泊も対象となる

※以前の京都魅力発見プロジェクトでは対象外であった

・こども・乳幼児をカウントするか否かは各事業者の判断による

・7泊まで連泊可能

※但し、利用回数に上限がない為、予約を別で取れば実質期間内ずっと宿泊できることになる

補助対象となる販売方法

【重要!】きょうと魅力再発見旅プロジェクトに登録された宿泊施設が対象

1. 宿泊事業者での販売
2. 旅行事業者及びOTA事業者での販売
※現段階でも、期間中に旅行をすればすべて対象になると思っている方がかなりいらっしゃる状況です。必ず、宿泊施設が対象になっているか、予約前に確認する必要があります。

また、各宿泊予約サイト毎に対応も異なっているので、気を付けなければなりません。じゃらん、一休は、10月11日からスタートするようですが、楽天は10月14日からなど、対応が分かれているようです。

感染症対策

国、京都府及び各業界団体等が定める業種別感染拡大防止ガイドラインを遵守すること

お得な裏技

・連泊上限を超えて利用する

補助金をうまく活用することによって、最大限を恩恵が受けられるように自分の旅行を計画するとよいでしょう。上記でご案内した通り、最大が7連泊であっても、別で予約を取れば実質7泊以上の連泊も補助の対象になります。

・1泊目と2泊目を別々に予約して補助率を最大化する

次にJRなどの交通機関とパックになったプランを利用してかなりお得な旅のプランについてご紹介します。
わかりやすく2泊3日を例に挙げます。

まず、1泊目の予約をJRなどの交通機関とパックになったプランで行います。
そして、2泊目は、交通とのパックではない宿単体の予約をします。すると同じ2泊でも割引額が全然かわってきます。
連泊ではなく、1泊目と2泊目を別々に予約することがポイントです。

例えば、家族4人旅行だとしましょう。
交通と宿泊がパックになった20,000円のプランを利用します。
20,000円x40%で8,000円の補助が受けられます。家族4人だと8,000円x4人分、この時点で32,000円もお得です。
しかも、これが平日なら3,000円のクーポンが4人分で12,000円分ついてきます。
2泊目は、宿単体を12,500円で予約したとします。
12,500円x40%で5,000円の補助が受けられます。家族4人だと5,000円x4人分、20,000円もお得です。
さらに、2泊目も平日であれば、3,000円のクーポンが4人分で12,000円がまたもらえます。
なんと、合計で76,000円もお得!
本来、全国旅行支援がなければ、合計130,000円の家族旅行が実質負担54,000円(1人1泊6,750円)になりますね。

違うホテルや旅館を楽しむことが出来ますし、気に入った宿であれば、そのまま同じ施設に宿泊してもよいでしょう。補助は1人1泊に対して発生するので、特に家族やグループ旅行では全体の予算が大きく変わって参ります。

コロナウィルスも落ち着いてきている印象があります。
もしかしたら、全国旅行支援はお得に旅ができる最後のチャンスかもしれません。
ぜひ、ご活用ください。各自治体とも予算上限になり次第、終了ですので、計画はお早めに!

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  • 民泊
    Airbnb

    民泊は個人でも法人でも運営可能

    民泊ビジネスを始める際、多くの方が「個人事業主として始めるべきか、それとも法人を設立すべきか」という選択に迷います。Airbnbなどのプラットフォームの普及により、誰もが手軽に参入できるようになった一方で、税務や法務、リスク管理といった実務的な判断は非常に複雑です。

    まず大前提として、Airbnbなどを用いた民泊ビジネスは、個人事業主でも法人でも合法的に運営することが可能です。民泊を運営するための主な枠組みには、住宅宿泊事業法(民泊新法)[引用1]、旅館業法(簡易宿所など)、国家戦略特区法(特区民泊)の3つがあります。これらの制度において、運営主体が個人か法人かによって有利不利が生じるような制限はありません。

    個人事業主は、税務署に開業届を提出するだけで手軽に始められ、初期費用もかかりません。一方、法人は設立登記に20万円程度の費用や手間がかかりますが、社会的信用が高まり、事業拡大に適した土台を築くことができます。まずはこの「手軽さ」と「体制の堅牢さ」のトレードオフを理解することが出発点となります。

    「売上〇〇万円で法人化すべき」は本当か

    ネット上の情報では、「売上1,000万円を超えたら法人化」「利益500万円が分岐点」といった数字が独り歩きしていることがよくあります。しかし、これらはあくまで一つの目安にすぎません。

    実務上、法人化を検討する際の代表的な数字の目安は、利益が800万円を超えると所得税と法人税の税率が逆転し節税効果が明確に出始めるライン、売上1,000万円を超えると消費税の納税義務が発生する可能性があるため免税期間をリセットする目的で法人化が検討されるタイミングとされています。

    しかし、実際には数字以外の要素が判断に大きく影響します。たとえば、将来的に10物件まで増やしたいと考えているなら、利益が100万円の段階であっても、融資の引きやすさを考えて最初から法人化するメリットがあります。逆に、1物件を副業として細々と続けるつもりなら、利益が800万円近くになっても、法人維持コスト(社会保険料や税理士費用)を考えると個人のままの方が手元に残るお金が多いケースもあります。

    税金構造の違いが大きな分岐点

    最も大きな分岐点となるのが税金構造の違いです。個人事業主に課される所得税は「累進課税」であり、所得が増えるほど税率が5%から最大45%まで段階的に上がります。民泊が好調で利益が跳ね上がると、税金の負担が急速に重くなるのが特徴です。

    対して法人は、利益の額に関わらず税率がほぼ一定です。中小法人の場合、年800万円以下は15%、超える部分は約23.2%となっています。

    さらに、法人化することで、個人では認められない項目を経費にできるようになります。役員報酬として自分に給料を支払うことで、法人側の利益を減らしつつ、個人側でも「給与所得控除」を受けられるため、所得を分散して節税できます。また、自宅の社宅化や出張日当なども経費化できる場合があります。

    ただし、法人は赤字でも法人住民税の均等割(約7万円)を毎年支払う義務がある点や、会計処理が複雑で税理士への顧問料が必要になる点など、維持コストも増加することを忘れてはなりません。

    物件の持ち方と将来の展開が重要

    次に重要なのが、どのように物件を持ち、今後どう展開するかという視点です。

    1棟・1施設で拡大予定がない場合は、個人事業主の方が機動的です。自宅の一部を貸し出すような小規模な民泊や、特定の1物件だけを運営する場合、法人化に伴う社会保険への加入義務を考えると、小規模運営では個人のメリットが勝ることが多いでしょう。

    一方、今後物件を増やす予定がある場合、物件を増やす前提かどうかは法人化を判断する決定的なポイントです。物件を増やすには金融機関からの融資が不可欠ですが、銀行などの金融機関は個人よりも法人の方が、事業計画の継続性や資産の透明性を高く評価する傾向があります。法人名義で不動産を所有・賃貸することで、個人の信用力に依存しすぎない事業展開が可能になります。

    リスク管理と責任の切り分け

    民泊には、宿泊業特有のリスクが常に付きまといます。近隣住民とのトラブル、室内での事故、不慮の火災、ゲストによる損害賠償問題などです。このとき、誰が責任を負うかという点が法人化の隠れた大きなメリットとなります。

    個人事業主の場合は無限責任であり、事業上の負債や損害賠償の責任は、すべて運営者個人が負います。最悪の場合、個人の私有財産(自宅や預貯金)を投げ打ってでも賠償しなければなりません。たとえば、ゲストが室内で怪我をして高額な治療費を請求された場合や、火災が発生して近隣に被害が及んだ場合など、予期せぬ事態が起きた際の責任は、すべて個人に降りかかってきます。

    一方、法人の場合は有限責任であり、法人は個人とは別の人格(法人格)として扱われます。原則として、事業上の責任は法人の資産の範囲内に限定されます(※個人保証をしている場合を除く)。つまり、万が一民泊事業で大きな損害が発生したとしても、個人の生活基盤となる資産を直接差し押さえられるリスクを軽減できるのです。

    実情として、節税よりもリスク分離を目的に法人化を選ぶオーナーも少なくありません。特に、万が一のクレームや事故が起きた際、個人の生活や家族を守るための「防波堤」として法人を活用するという考え方です。複数の物件を運営する場合や、高額な賠償リスクが想定される物件を扱う場合には、このリスク管理の視点が法人化を決断する重要な要素となります。

    民泊を「副業」とするか「事業」とするか

    民泊の法人化は、単なる税金計算の問題ではなく、民泊をどう定義するかという宣言でもあります。

    まず試してみたい、副収入として小規模に続けたいのであれば、初期コストを抑え、廃業も簡単な個人事業主が最適です。開業届一枚で始められ、確定申告も比較的シンプルで、事業をやめる際の手続きも最小限で済みます。副業として民泊を運営する会社員の方や、自宅の空き部屋を活用したい方にとっては、個人事業主としてのスタートが現実的な選択肢となるでしょう。

    一方、継続的な事業として育てたい、融資を受けて規模を拡大したい、組織としてリスクに備えたいのであれば、コストを払ってでも法人を選択すべきです。法人化することで、金融機関からの信用を得やすくなり、事業計画に基づいた資金調達が可能になります。また、従業員を雇用して組織的に運営する場合や、将来的に事業を第三者に承継する可能性がある場合にも、法人という枠組みは大きなアドバンテージとなります。

    最初は個人で始めて、軌道に乗った段階で法人化(法人成り)するという選択肢も一般的です。その際、現在の許認可を新しい法人体制にスライドさせる手続きなども可能ですが、名義変更の手間は発生します。まずは小さく始めて、事業の手応えと将来の展望が見えてきた段階で法人化を検討するという段階的なアプローチも、リスクを抑えながら成長を目指す賢明な戦略と言えます。

    民泊運営は、大海原へ漕ぎ出す航海のようなものです。最初は小さな手漕ぎボート(個人事業主)で近海を探り、確かな手応えを感じたら、大きなエンジンを積んだ船(法人)に乗り換えて遠出をする。自分の進みたい距離と、耐えられる波の高さに合わせて、最適な「船」を選んでください。


     [引用1]https://biz.moneyforward.com/establish/basic/71878/

  • スタッフブログ
    京都の街並み

    大阪市が国家戦略特別区域法に基づく「特区民泊」の新規申請受け付けを停止する方針を固めたことは、日本の宿泊業界、特にインバウンド対応市場における重要な転換点となっています。全国の特区民泊施設の9割以上が集中し、「民泊の中心地」として機能してきた大阪の流れが変わることで、隣接し強力な観光集客力を持つ古都・京都が、新たな投資の受け皿として注目を集めています。

    本記事では、大阪の政策転換が持つ意味を整理し、厳しい規制環境にある京都で民泊投資を成功させるための運営モデルと戦略について詳しく考察します。

    大阪特区民泊停止の背景と投資市場への影響

    大阪市は、特区民泊の新規申請受け付けを2026年5月30日から停止する方針を表明しました[引用1]。この決定の背景には、騒音、ゴミ、マナー違反といった地域住民からの苦情が急増し、行政が対応に追われていたという深刻な事実があります。2024年度に受け付けた認定施設に関する苦情件数は399件に達しており、最も少なかった2021年度と比較すると実に4倍以上という急増ぶりです。

    この新規停止措置は、「規模拡大よりも秩序ある運営を優先する」という行政の明確な政策判断を示しています。特区民泊は、住宅宿泊事業法(民泊新法)の年間180日という営業日数制限を受けず、通年営業が可能であるため、参入ハードルが低く収益性が高いとされてきました。しかし、その柔軟性が地域社会との深刻な摩擦を生んだ結果、行政は規制強化の方向へと舵を切った形です。

    ただし、重要な点として、新規申請は停止されますが、すでに認可済みの施設については引き続き営業が認められます。既存施設の営業停止や取り締まりは実務上困難であり、施設件数が大きく減少する可能性は低いと見られています。

    投資拡大への「キャップ」と周辺地域への波及

    大阪の特区民泊は、旅館業法と比較して緩やかな条件で宿泊施設を運営できる制度であり、特に海外からの投資家にとって、経営管理ビザ取得の手段として活用されやすい側面もありました。この投資モデルは、日本が法治国家であり安全性が高いという魅力と相まって、中国人オーナーや中国系法人による運営が全体の4割以上を占めるという高い集中度を見せていました。

    今回、大阪市に加えて大阪府が管轄する29市町村も新規受け付け停止の方針を固めており、対象には主要エリアのほとんどが含まれています。これにより、大阪地域での民泊施設の極端な増加に明確な「キャップ」がはめられることになります。

    一方で、宿泊需要自体は万博後もインバウンドの継続的な流入により高止まりしており、中規模から小規模の地域密着型滞在先が慢性的に不足している現状があります。そのため、大阪で新たな投資機会が制限されることで、資本は必然的に近隣で集客力の強い他府県へと分散することが予想されます。ただし、大阪に極端に施設が増えることにキャップがはめられる一方、既存施設の件数が減る可能性は低いため、市場全体としては緩やかな調整局面を迎えることになるでしょう。

    次なる投資の分散先としての京都:機会と規制の両面

    大阪の規制強化は、地理的に近接し、圧倒的な観光集客力を誇る京都にとって「追い風」になると考えられます。大阪での新規参入が困難になるというニュース以降、海外からの京都への投資、特に中国系投資家による物件取得の動きが勢いを増したとする指摘もあります。

    京都は年間を通じて国内外から安定した観光客を集める力を持っており、歴史的な寺社仏閣、伝統文化、洗練された食文化など、他の都市にはない独自の魅力を備えています。大阪で投資機会が制限される中、こうした京都の強力な集客力は、投資先としての価値をさらに高める要因となっています。

    しかし、京都での民泊経営を検討する上では、大阪と比較してより厳格な規制環境を深く理解しておく必要があります。

    京都市の厳格な独自規制体系

    京都市は、歴史的な街並みの保護や住民の生活環境維持(騒音、ゴミ問題、マナー違反への懸念)のために、以前から厳しい独自の規制を設けてきました。

    まず、特区民泊に関しては、京都市ではかつて一部地域で認められていたものの、現在は特区指定が解除されており、新規の許可申請は受け付けられていません[引用2]。

    次に、住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく民泊についても、京都市は国の定める年間営業日数180日の上限に加え、独自の厳しい規制を課しています。特に住居専用地域に強い制限を設けており、用途地域が「住居専用地域」である場合、営業日数の上限が60日となります。但し、宿泊客と家主が同居するタイプの施設等では、例外的として180日の営業が認められています。

    さらに、京都市のガイドライン[引用3]によると、住宅宿泊事業の届出を行う前に 近隣住民に対して事業の概要を説明し、届出住宅に掲示を行う義務が定められています。この丁寧なコミュニケーションプロセスがトラブル回避に極めて重要な要素となっています。

    簡易宿所営業の戦略的再評価

    厳格な規制環境の中で、今後京都で注目される運営形態の一つが、簡易宿所営業です。簡易宿所は旅館業法に規定されており、住宅宿泊事業法と比較して営業日数に制限がなく、年間を通して営業できる大きなメリットがあります。宿泊施設としての信頼性も高く、集客面で有利に働く可能性があります。

    ただし、「簡易」という名称ではあるものの、旅館業法の適用を受けるため、以下の基準を満たす必要があります。

    1. 延べ床面積:原則として33平方メートル以上
    2. 寝室の広さ:宿泊者が占有する面積が定員×3.3平方メートル以上(布団を用いる場合は1人当たり2.5平方メートル以上)
    3. 設備基準:換気設備、避難設備(非常口、消火器など)の適切な設置
    4. 玄関帳場(フロント):原則として必要(ただし京町家の場合は不要)

    簡易宿所の許可取得プロセスは、民泊新法の届出と比較すると複雑で手間がかかりますが、旅館業としての基準を満たすことは、宿泊者と近隣住民の双方にとってより安全で安心な環境を提供することにつながります。

    京都で成功するための実践的運営戦略

    京町家の窓

    規制が厳格化する時代においては、「軽い運営」ではなく「誠実な運営」が評価され、選ばれる時代となります。京都で民泊経営を成功させるための鍵は、「高稼働率×高単価×効率的運営」のバランスを実現することです。

    特に重要となるのは、運営の質を向上させる以下の取り組みです。

    法令遵守の徹底:京都市独自の条例や、消防法に基づく消防設備の設置(自動火災報知設備、消火器、誘導灯など)を確実に実施し、安全性を最優先に確保することが必須です。

    地域社会との調和:騒音やゴミ問題に関するルールを宿泊者に周知徹底し、近隣住民との定期的なコミュニケーションを図ることが、長期的な運営の基盤となります。近隣住民との良好な関係構築は、トラブル防止だけでなく、地域に根ざした宿泊施設としてのブランド価値向上にもつながります。

    効率的な集中管理モデル:戸建てや簡易宿所を点在的に運営する場合でも、清掃スタッフ、備品管理、運営スタッフを共通化し、一括管理するモデルを導入することで、規模の経済を活かしてコストを削減することが求められます。

    体験価値の創出:単に宿泊場所を提供するだけでなく、伝統的な構造を生かしたリフォームやインテリア、坪庭の設置など、京都らしさを最大限に活かした独自性のある物件作りを行うことが、競合との差別化と集客力の向上につながります。

    転換期における投資の将来展望

    大阪の特区民泊停止措置は、民泊ビジネスが「誰でも気軽に始められるビジネス」から、より高度な専門性と品質管理が求められる「本格的な宿泊業」へと移行する転換点を示しています。

    この変化の中で、京都はその強力な観光集客力ゆえに、投資先としての魅力を決して失っていません。むしろ、大阪での新規参入が制限される状況は、次なる投資の分散先としての京都の価値を相対的に高めています。

    しかし、成功のためには、簡易宿所や旅館業といった年間を通じて営業可能な形態を戦略的に選択し、煩雑な行政申請手続きや近隣住民への配慮という「見えないコスト」を適切に管理できる運営体制を構築することが不可欠です。

    適切な手続きの遵守と近隣への誠実な配慮こそが、厳格な規制環境下にある京都という市場で、持続可能な民泊経営を実現するための成功の鍵となります。規制が強まる時代であるからこそ、事業者の「ブランド力」と「誠実な運営姿勢」が問われる時代になっています。大阪での投資機会制限を単なる制約と捉えるのではなく、質の高い宿泊サービスを提供する真の宿泊業者が評価される市場環境への移行と前向きに捉え、京都という魅力的な市場で長期的な成功を目指すべきでしょう。


     [引用1]https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF1621T0W5A011C2000000/

     [引用2]https://9stay.net/column/174

     [引用3]https://www.city.kyoto.lg.jp/kankyo/cmsfiles/contents/0000265/265235/shiryo3-2.pdf

  • スタッフブログ
    フライトスケジュール

    日本のインバウンド市場は、2025年に年間訪日客数4000万人突破が目前に迫る勢いでした[引用1]。しかし、11月の高市首相による国会答弁を発端とした日中間の政治的緊張により、成長に急ブレーキがかかりました。中国政府の渡航自粛要請を受け、ホテル予約は約57%激減し、関西を中心に深刻な影響が広がっています。この事態は、日本の観光産業が抱える市場構造の脆弱性を浮き彫りにしました。

    急ブレーキがかかったインバウンド成長

    日本のインバウンド市場は、新型コロナウイルス禍から目覚ましい回復を遂げ、2025年には年間訪日客数4000万人突破が目前に迫っていました。特に中国人観光客は、2025年1月から10月までの累計で820万人に達し、前年同期比で40.7%増という勢いで韓国を抜いてトップに立っていました。

    しかし、この成長モードは突如として急ブレーキを迫られることになります。発端は2025年11月7日の高市早苗首相による国会答弁でした。台湾有事時の集団的自衛権行使の可能性に言及したこの答弁に中国政府が猛反発し、11月14日には日本への渡航自粛を呼びかける公告が発出されました。中国政府はその後、日本で中国人が巻き込まれる犯罪が増加したことを理由の一つとして注意喚起を継続しています。

    この渡航自粛要請の影響は瞬時に全国に広がりました。民間の宿泊管理システム「tripla(トリプラ)」によると、要請後1週間(11月21〜27日)の中国からのホテル予約件数は、要請前の週(11月6〜12日)と比較して全国で約57%も激減しています[引用2]。

    過去には2012年の尖閣問題の際にも同様の渡航自粛要請があり、その影響は1年ほど続き、中国人旅行者数が約25%減少しました。野村総合研究所のエコノミストは、同様のことが起きた場合、日本の経済損失は1兆7900億円に上ると試算しています。

    関西地方を直撃したキャンセル連鎖

    中国人・香港からの訪日客は、2025年1月から10月までの累計で1022万人と、韓国や台湾を大きく上回っており、特に来訪者が多かった関西地方では、この急減速への対応に苦慮しています。

    大阪観光局が11月に行った聞き取り調査では[引用3]、府内約20のホテルにおいて、12月末までの中国人宿泊予約の5割から7割でキャンセルが発生していることが明らかになりました。10月に大阪府を訪れた外国人のうち中国人が占める割合が24%に及ぶことを鑑みれば、看過できない数字です。

    京都市内のホテルでも一部でキャンセルが発生しており[引用4]、京都市観光協会は、仮に中国人の宿泊数が半減した場合、11月の予測客室稼働率は4.7ポイント減少し、84.4%まで低下すると見込んでいます。

    交通インフラも深刻な影響を受けています。関西国際、大阪国際、神戸の3空港を運営する関西エアポートによると、関空と中国を結ぶ冬シーズンの就航便数は、当初予定の525便から12月の第2週には348便へと大幅に減少しました。来年以降も平均で約28%の減便となる見通しで、12月単月では関空の中国便の最大34%が運休予定とされています。

    また、団体客に大きく依存していた観光バスツアー事業者も壊滅的な打撃を受けています。大阪府のインバウンド向け観光バスツアー会社では、11月の予約は半分以上がキャンセルされ、12月は予約がほぼゼロとなり、「新型コロナウイルス禍並みの落ち込み」だと危機感を露わにしています。

    オーバーツーリズムの終焉と宿泊料金の変化

    今回の急減速は、観光客の急増で宿泊費が高騰し、オーバーツーリズムが懸案となっていた京都の宿泊市場に劇的な変化をもたらしました。京都市内のホテルでは宿泊料金が大幅に下落し、土日・祝日であっても1泊1万円未満のホテルが並ぶという、一昔前のビジネスホテルの料金水準に戻りつつあります。

    宿泊単価(ADR)の動向も、関西で特に顕著です[引用5]。全国平均では1.1%の上昇が見られるものの、京都府では9.4%の大幅な下落、大阪府でも0.1%の下落を記録しています。大阪市内のホテルでは、12月の客数と単価が下がり、売り上げが前年同月比で2割減る見込みです。

    一方で、全ての観光地が均等に打撃を受けているわけではありません。秋の観光シーズンを迎えていた京都の錦市場商店街では、中国人客の人出が2〜3割減っているという声があるものの、欧米客の割合が高い店では売り上げへの影響は小さいとの意見も聞かれます。

    全国への波及と市場構造の脆弱性

    北海道

    当初関西や沖縄で顕著だった影響は、冬の訪問先として中国人観光客に人気が高い東北地方や北海道にも波及し始めています。

    沖縄では、中国国際航空による那覇―北京線の欠航が100便規模に膨らみ、クルーズ船の寄港や下船のキャンセルも18件に上っています[引用6]。東北地方では、中国国際航空が仙台―上海線の定期便を運休し(26年3月下旬まで再運航未定)、香港拠点のLCCも香港―仙台線を運休する方針を示しました。

    北海道でも緊張感が高まっています。冬に流氷観光でにぎわう知床エリアの大型ホテルでは、中国個人客の1〜2月の予約キャンセルが目立ち、渡航自粛後に4月までのインバウンドキャンセル数が約360件に達しました。

    この危機は、日本のインバウンド市場における中国依存度の高さを改めて浮き彫りにしました。2024年の訪日客全体で、韓国と中国だけで42.8%を占める状況であり、政治的なトラブルによるダメージを軽減するためには、依存構造の是正が不可欠です。

    実際、中国からの旅行需要は、韓国、タイ、シンガポールなどへの行き先変更を引き起こしており、特に韓国は2026年6月までの期間限定で中国人団体客のビザを免除するなど、誘致を強化しています。

    インバウンド回復の陰で進む日本人の旅行離れ

    インバウンド市場が政治的リスクに直面する裏側で、日本の旅行市場にはもう一つの深刻な構造変化が進んでいます。それは、日本人による国内旅行、さらには海外旅行の「旅行離れ」です。

    円安の影響もあり、日本人の海外旅行者数は2024年で1300万人強にとどまり、これは30年前の1994年の水準に逆戻りしています。国内旅行においても減少傾向が顕著です。観光庁の統計によると、2025年の日本人のべ宿泊者数は1月から前年同月比を下回り続けており、特に2月は-7.5%、4月は-5.2%と落ち込みが激しい月も見られます[引用7]。

    この要因の一つは、インバウンド増加によるオーバーツーリズムとそれに伴うホテル価格の高騰です。都市部のビジネスホテルでさえ1泊1万円以下で宿泊することが難しくなり、日本人利用客がいなくても高い稼働率を維持できるため、ホテル側が強気の価格設定をしているのが実態です。

    しかし、旅行離れの根本的な原因は、「失われた30年」と呼ばれる経済低迷の中で賃金が伸び悩んできた結果、「お金も時間もない」という状況に尽きます。物価高や社会保険料負担が増し、可処分所得が停滞する中で、旅行への出費をためらうライト層が多くなっている現状は、日本経済そのものを反映しています。

    リスク分散と持続可能な観光への転換点

    日中対立に端を発した中国人観光客の急減は、日本の観光産業が抱える市場の脆弱性を明確に示しました。現在のところ、予約全体でならすと、国内や中国以外のインバウンド需要増が中国からの予約減少分を一部補っている面も見られます。

    しかし、この事態は、単に中国人客の回復を待つだけでなく、市場の多様化を加速させる好機でもあります。観光収益の基盤を安定させるためには、旅行支出が多くなる傾向にある欧米諸国など、多岐にわたる国・地域からの訪日客を増やす施策を強化することが急務です。

    同時に、インバウンドの回復が著しい一方で、日本人自身が価格高騰や混雑によって国内旅行すら楽しめなくなっているという「旅行離れ」の現状にも向き合わなければなりません。観光産業が持続的に発展するためには、外需に偏重するだけでなく、国内旅行者が再び余裕を持って旅を楽しめる環境を整備し、インバウンドと国内需要のバランスを取ることが、今後の重要な課題となるでしょう。

    今回の急ブレーキは、観光産業が一極集中のリスクを抱えていることを示しており、市場の分散化を促す重要な転換点となる可能性があります。


     [引用1]https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC012WU0R01C25A2000000/?n_cid=SNSTW001&n_tw=1765561411

     [引用2]https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC290C10Z21C25A1000000/

     [引用3]https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC290C10Z21C25A1000000/

     [引用4]https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC290C10Z21C25A1000000/

     [引用5]https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC290C10Z21C25A1000000/

     [引用6]https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC12A0W0S5A211C2000000/

     [引用7]https://news.yahoo.co.jp/articles/9e531934b9053a84b4ae09c3e5459b74e0b1562d?page=2