FAQ
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これから宿泊業を始めるには建物の用途変更が必要になります。旅館やホテルなどとして用途変更することで、該当する物件で宿泊業することが認められるからです。以下では宿泊業のために必要になる建物の用途変更について、必要な手続きや注意点まで詳しく紹介します。
目次
建物の用途変更とは何なのか、基本的な点について解説します。
用途変更とは、建物の用途を変更する手続きを指します。どのような建築物であっても、必ず用途を定めなければいけません。用途とは、住居や事務所、工場、旅館・ホテルなどのことです。事前に定めた用途以外の目的で建物を使うには、用途変更の手続きが必要になります。それぞれの用途には法律によって厳密に基準が設けられていて、必要に応じて改修工事などをしなければいけません。
建築物を利用する目的によって、必要とされる構造や設備には違いがあります。特に不特定多数が利用する施設については、安全上の問題から厳密な基準が設けられているケースが多いです。用途変更の手続きを行うことで、安全基準を満たした建築物であると証明できます。施設を利用する人の安全を守り、トラブルを未然に防ぐことができるため、用途変更は重要な制度です。
宿泊業をこれから始めるには、あらかじめ旅館やホテルなどへの用途変更が必要になります。宿泊業は不特定多数の人が施設を利用することを前提とするため、法律による規制が厳しいです。宿泊施設は旅館業法や建築基準法、消防法などさまざまな法律の対象となります。
一般的な住居などをそのまま旅館・ホテルなどで活用することはできず、事前に用途変更を行い、必要な基準を満たしていることの証明が求められます。
これから宿泊業を始める際には、用意した物件の用途変更の手続きが発生します。用途変更の手続きについて、基本的な点を詳しく解説します。
建物の用途変更の手続きでは、確認申請の有無が重要になります。確認申請が必要な場合は、用途変更の手続きを行う前に事前に行政機関での手続きが発生します。確認申請の手続きでは、確認申請書と確認申請図面などを提出しなければいけません。確認申請は民間の確認申請機関、あるいは行政に対応してもらえます。
確認申請の手続きでは関連法令の基準を満たしているかチェックされ、問題がなければ用途変更の手続きを進めることが可能です。確認申請が発生すると必要な書類が多岐に渡り、手続きの手間とコストがかかるため注意しましょう。
建物の確認申請は以下の条件を満たす場合には不要になります。
特殊建築物で用途に供する部分の床面積が200㎡未満であれば例外として確認申請は不要になります。特殊建築物とは不特定多数の人の出入りが想定される建築物のことです。床面積が200㎡未満の場合は、多くの人の出入りがないと考えられるため、確認申請が不要とされています。床面積200㎡とは約60坪のことであり、一般的なコンビニの店舗面積と同程度です。たとえば、一般住宅を宿泊施設として利用する場合は、確認申請が不要になるケースが少なくありません。
また、類似の用途間での用途変更の場合は確認申請は不要です。たとえば、映画館、診療所、ホテル、旅館、図書館などは類似の用途とされています。ただし、地域によっては、建築確認が不要な施設でも、条例により地域の規定に適合させることを求められるケースがあります。
建物の用途変更の手続きで必要な書類は以下の通りです。
用途によっては、さらに追加で書類が必要になるケースがあります。どのような書類が必要になるのか、詳しい点は専門家に相談しましょう。
建物の用途変更の手続きを進める際の主な流れを以下にまとめました。
建物の用途変更をする際には専門家のサポートを受けるのが一般的です。住宅を宿泊施設にするための工事を依頼する場合は、建築士事務所などが用途変更の手続きもサポートしてくれます。専門家との打ち合わせの際には関係法令の確認や必要な書類の説明を受けます。申請に必要な書類の作成や実際の手続きなどは、専門家に任せることが可能です。
行政機関に書類提出をする前に事前相談が必要になります。関係各機関に対して事前相談を行い、宿泊業の基準を満たすか、施設の図面などを持参してチェックを受けます。書類の準備が終わった後は、用途変更の確認申請について書類を提出して問題なければ、実際に工事を始めます。工事が終了した後は保健所や消防署による検査を受けなければいけません。関係法令の基準を満たしていれば、完了検査に合格できます。用途変更が済めば、宿泊業の営業許可を取得して、営業を始められます。
これから宿泊業を始める際に用途変更が必要になるケースで注意しておきたい点を紹介します。
建物の用途変更の際には、確認済証と検査済証の提出が必要になります。
確認済証とは、建物の工事着工前に受ける審査に通ったことを証明する書類です。検査済証とは、建築基準法で定められたすべての検査に通ったことを示す書類を指します。たとえば、中古物件を購入する場合、確認済証はあるが検査済証がないケースは珍しくありません。かつては完了検査の実施率が低かったため、古い物件の中には検査済証の交付を受けていないものが多く存在します。
過去に検査済証が交付されている場合は、台帳証明書を取得することで検査済証が発行された事実の証明は可能です。ただし、台帳が存在しない場合や、そもそも検査済証が交付されていない場合には対応できません。検査済証の原本がなく、発行された証明もできない場合は、専門機関に調査を依頼し、建築基準法に適合していることを証明してもらうという方法があります。専門機関によって検査済証と同等の報告書を発行してもらうことで、用途変更ができる可能性があります。
用途変更を行うには、事前相談を行い、確認申請の手続きを進め、検査を受ける必要があり、手間とコストがかかります。特に確認申請が必要になると多くの書類が必要になり、事前の協議や審査を受けることになるため、手続きを進めるハードルが高くなります。
用途変更の手続きで発生する費用や期間は、確認申請の有無や施設の規模などにより大きく異なるものです。事前に専門家に相談をして、どの程度の負担がかかるのか把握しておくことをおすすめします。
用途変更で確認申請が必要になると手続きのハードルが高くなります。また、宿泊業を始めるための物件に検査済証がなくて、手続きに手間取るケースも少なくありません。宿泊業を行うための用途変更が困難なケースでは、民泊という選択肢があります。民泊新法によって規制された民泊は、法的には住宅の扱いのままで宿泊サービスの提供が可能です。住宅用途のままで運営を行えるため、用途変更の申請は不要になります。
ただし、民泊新法による民泊では、年間の営業日数が180日に限定される点が大きなデメリットです。また、住宅宿泊管理業者に管理を委託する必要があります。さらに、京都市の場合には、管理者の設置など民泊を規制する独自のルールがあるため注意しましょう。
宿泊業を始める上で用途変更の申請につまずくケースは多いです。確認申請が必要になるのか、検査済証があるのかなど重要なポイントを確認しておきましょう。また、用途変更が困難な場合の選択肢として民泊の運営を検討することもおすすめします。詳しい点については、専門家に相談を行い、アドバイスを受けた上でじっくりと検討しましょう。
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