FAQ
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「空いている部屋をなんとか有効活用して宿泊施設を運営してみたい。でも、法律や制度について詳しくわからない」「既に運営をしているけど、新しい条例が施行されると人件費が経営を圧迫して営業が続けられない」など、少しずつ法整備が変わっていっているようだけれど、よく理解ができなくて困っている、こんな悩みを持つ人は多いのではないでしょうか。
今回は、このような悩みを「施設外玄関帳場」の観点から注目して解説していきます。
「施設外玄関帳場(しせつがいげんかんちょうば)」とは、「施設内ではなく、施設外にフロントを設けること」をいう言葉です。
通常のホテルなどでは、ホテルのなかにフロント(帳場)が存在します。しかし施設外玄関帳場の場合は、施設内部ではなく、それ以外のところに帳場が設置されることになります。つまり、宿泊施設と帳場が、完全に別個のものとして存在するわけです。
宿泊施設の運用に関しては、「旅館業法(昭和23年7月法律第128号)」によって定められています。戦後ほどなくして設定されたこの旅館業法は、時代とともに少しずつ変わって言っています。
今回紹介する「施設外玄関帳場」も、この「時代とともに変わる旅館業法」と関係しています。2018年6月15日に条約の改正が行われ、同年9月15日以降に計画される宿泊施設などにおいては、「施設外玄関帳場の設置を認める」としたのです。
これは、「住居系の施設と混在しないのであれば、ゲストが泊まる施設から少し離れたところ(道なり800メートル以内)に帳場を設けてよい」とするものです。しかし、この”道なり”が大きなポイントになってきます。対象施設と施設外玄関帳場との距離が数十メートルであっても、目の前に線路や川がある場合、踏切や橋を通るルートで距離を測定しなければなりません。大きな車道などは、歩道がある部分を経由して距離を確認します。
以前は、施設へ概ね10分で駆け付けられることが条件でしたが、アクセス手段の制限もなかった為、京都市内中心部に拠点があれば、概ねどこにでもゲストハウスや民泊が出店ができる状況でしたが、道のり800mという縛りが、今回、運営者を最も悩ませている条例の変更点になります。
一方で、違った見方をすれば、観光客の分散化を図ろうとしていた京都市の思惑を京都市が自ら潰す形になるかもしれません。当然、人気観光地や主要な駅の周辺に宿泊施設は集まっています。施設が多いということは、その施設の運営を担う運営者や管理会社も近くに点在しています。逆に、これから増えようとしていたエリアや主要なスポットから外れた場所では宿泊施設の数も少なくなります。当然、単価も低くなりますので、施設外玄関帳場の運営費を賄う程の予算の確保は難しいと考えます。マンションやアパートの1室が施設外玄関帳場として申請しようと考えた人は多いかと思いますが、これらの建物は他の住民の方との共有部(エントランス、ロビー、廊下等)を持つため、残念ながら認められません。例外として、1階部分がテナントになっていて、共有部を持たなければ可能かもしれません。
施設外玄関帳場が認められたことによって、「ほかの施設と共同で、帳場を使える」というメリットができました。
つまり、「Aさんの運営する宿泊施設とBさんの運営する宿泊施設がごく近くにある為、中間地点に施設外玄関帳場を設置して一元管理しよう」というようなことができるのです。これによって、より効率のよい宿泊施設の運営が可能になったという見方もできるかもしれません。
また、宿泊客からすると、スタッフがいることによって感じられる「ホテルらしさ、旅館らしさ」よりも、「まるまる一棟、その家を借り切って、自分の家のように寛げる」というスタイルで気兼ねなく旅行を満喫できるというメリットがあります。
まだ始まったばかりの施設外玄関帳場の制度、これからいろいろな活用方法や運営スタイルが生まれると思われます。
施設外玄関帳場の利用が許されるのは、
などの条件をクリアした場合のみとなります。
「京都の民家を1軒そのまま貸し出し、我が家のように過ごしてもらう」というかたちの宿泊施設の場合は、施設外玄関帳場を利用することができます。しかし、一般的なビジネスホテルのように、「客室が複数あり、それぞれに他の人を泊める」という場合は、施設外玄関帳場を使うことはできません。
このため、施設外玄関帳場が使えるかどうかの判断基準は、その宿泊施設の構造や運営方法に大きく左右されるといえます。
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